2022年03月

2022年03月22日

「恋せぬふたり」最終回

羽がロールキャベツを作る時
いつも入れていた「葉っぱみたいなやつ‥?」のことを
キャベツ畑で働く羽に、電話で尋ねた咲子は
ローリエを買いに夕日に染まりながら自転車を漕ぎます。

咲子はもう、淡く緩く夕日に馴染んではいません。

その顔は眩しいくらい晴れやかで金色に輝いていました。

「私の人生に、なにか言っていいのは私だけ‥」
「私の幸せを決めるのは‥私だけ‥」

ドラマ終盤の、咲子のこのことばを聞いて
私は図らずも涙が出てきてしまいました。

羽は人生を色づかせ豊かさを増してくれた
咲子との「家族(仮)」生活を手放したくなかったのですね‥

だから気乗りしない職場での昇進も受け入れ
人生、時には「諦めも肝心」という境地で
現状維持を貫こうとしていたのです。

しかし咲子の提案は目からウロコでした。
二者択一ではなく両方取りとは‥
羽には考えもつかないストーリーだったようです。

そうかぁ‥仕事も生活も今がベストな咲子は
咲子なりの理由で今まで通り羽の祖母の家で暮らし、家を守り
羽は遥の提案に応じて農家で働きながら野菜王国を目指せば
何も問題はないですよね。

羽は自身が捉えていた「家族」という観念に
縛られていたんですね‥「家族」は一緒に住むものだと‥
別々に暮らすという事は「家族(仮)」は終わりだと‥

でも咲子は言います「なりませんよ!終わりに。」

「私達は別々に暮らしていたって一人じゃないし‥
家族じゃなくなったりしません。年越しそばと年越しうどんですよ。
諦めるんじゃなくて、両方取り。これが私達の今のベターじゃなくて
ベストじゃないですか?」

これを聞いた羽は涙ぐむのです‥

なんだろう?あまりにも自由な咲子の発想は
いとも簡単に羽を家から出てもいい事にしてくれるのです。
重石が取れたようで涙腺がゆるんでしまったのかも‥
そして何より羽を家族として捉えている咲子の想いが
羽に伝わったのでしょう。

「いいんですか?‥えっ‥僕本当にこの家を出て」

咲子は言います‥選択したものがお互い駄目になったり
嫌になったら又一緒に考えればいいと‥



「何にも決めつけなくて良くないですか?私達も家族も
全部(仮)で。ことばにするとそれに縛られちゃうんです。
周りに決められた普通に縛られたくない私達でさえも‥」

「大事なものや考え方だってどんどん変わっていくんだから‥
その時のベストを考えればいいし‥もし、その時
ふたりのベストが全く別方向で、色々話し合ってそれでも無理なら‥」

「無理なら‥?」

「無理に家族でいる必要もないんです」

ああああ!!!!このことばを聞いて
見ているこちらの個人的なモヤモヤも
消えていくような気がしました。



ずっと「あきらめ」の中で生きてきた羽が
「あきらめ」から飛び出して本当に良かったです。

そして‥初めて人生を肯定できる羽がそこにいました。

なんか、いいドラマだったなぁ‥

性的指向は傾向はありますが
その人独自のものであり
周りに溶け込んで均一性を図る必要はないはずです。
その人らしく生きれば良いし
その人らしく生きる事を阻まないようにしましょうよ‥

このドラマを見てつくづく想いました。


こうなりますと、咲子と羽のその後を見たくなります。
「恋せぬふたり」の続編をよろしくお願いしたいです。



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2022年03月20日

母の病状その12

今日、母はとうとうベッドから出ませんでした。

介護生活が始まって初めての事です。

昨日は、昼前に着替え、いつものように歩行器でトイレへ移動
洗面を済ませ、居間の炬燵テーブルの椅子に座り
鳥の餌のような昼食を摂り、TVで時代劇や相撲を観ました。

夕食として経腸栄養剤を少し飲み
洗面の後、ベッドへ入る頃から少し息が荒くなり始めました。

正直「えっえっ‥あららっ‥‥!?」という心持ちで
先だって在宅医の指導で設置して頂いた
酸素濃縮装置の流量を上げました。

慢性疾患の終末期である事はわかってはいるのですが
何回も倒れては立ち上がってきた母なので
「ますます細くなってしまった綱だけどまだ渡っていける」と
私は心のどこかで思っていた節があったようです。

DSCF1593

しかし‥だんだんとリアルを突きつけられようになって
私の心は妙にザワザワし始め、なんだか右往左往して
介護以外のことに気持ちが行ってしまい
「心ここに在らざれば視れども見えず‥」という状態です。

人間が生まれるのも死ぬのも日常の流れの通過点に過ぎないわけで
粛々と段取りに従い過ごしていけばいいんだ‥と
想いはしますが、色々考えると消耗する部分はあります。

決して綺麗事で過ごしてきた介護生活ではなく
母と小競り合いさえし、大声で怒鳴ったこと等が過ぎります。

とにかく今は正念場にいる母だけを見ようと
自分を戒めているところです。


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wxy812 at 17:57|PermalinkComments(0)生活 | 思うこと

2022年03月15日

「恋せぬふたり」第7回



羽の過去の出来事は
羽の祖母へ対する優しさと
心の片隅にあった申し訳無さが引金となり
思わぬ方向へ事が進んでしまったような気がします。

遥のたまたまの訪問に際し
嬉しそうな祖母の顔を久しぶりに見た羽は
「また遊びに来てください」と遥に門を開きます。
祖母の喜びを大切にしたかったのでしょう‥

優しく笑い自分を誘う羽の姿に感じ入り
遥の足は羽の祖母の家へ向くようになります。

度々家に訪れるようになった遥と羽の交わした会話は
齟齬をきたすというより、そもそも食い違うような話しは皆無で
羽も遥も全く違う方向性をもって
話しをしていたに過ぎなっかったのではないかと思われます。

遥にしたって羽の性的指向を知らされていないわけですし‥
この頃は羽も自身の性的指向を
コントロールできていなかったのかもしれません。

祖母もまた、羽の性的指向を知らないので
遥が羽の彼女だと思うのは仕方のないことです。

祖母は祖父が両親から譲り受けた代々の指輪を
孫嫁と見越した遥に託します。

託された指輪を羽からはめてもらおうと
指を差し出す遥を前にして
羽はケースから指輪を抜こうとしますが手が震えます‥
自身を弁えもせずに、とってしまった軽はずみな行動が
遥も祖母も傷つけてしまったと想うと
「ごめんなさい」という他なかったのでしょう。

本当に辛い事です。

自分の性的指向が思わぬ事態を引き起こしてしまうのですもの‥

アロマンティック、アセクシャルの場合
男女間の付き合いにおいて、自覚なく行動してしまい
後に誤解を招いてしまう事が多いと、ある雑誌の誌面で読みました。

理解してもらうにはなかなか難儀ですし

生き難さを感じてしまうでしょうね‥

今回、羽は昇進したのですが
大好きな野菜と接点のない部署に配属され
がっかりしてはいますが
祖母の家を守るには現在のスーパーがベストであり
しかも羽は今の生活が気に入っているということで
遥の提案も咲子の想いも振り切る羽でした‥

野菜王国を夢見ていた羽の意向とはいささか
縁遠くなる事は否めません。

咲子の提言に、家族(仮)を解散したいのですか?と宣う羽ですが
咲子との間になんとなく隙間風が吹いてきたのかしら‥
果たして家族(仮)はどうなるのか?

今回、羽の本心が今ひとつはっきり掴めません。




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2022年03月01日

「恋せぬふたり」第6回



カズくんの騒動も咲子と羽にとっては
思いがけず有意義な出来事だったように想います。

その後のふたりの同居生活は凪のように穏やかです。
羽の大晦日の過ごし方にも優しい変化がありました。

咲子の実家の習慣を一部取り入れ咲子を尊重しつつ
自分の時間の過ごし方は譲らずバランスをとりながら
和やかに過ごします。

このまま同居生活が永く続くとしたら
大晦日の過ごし方はずっとこのパターンになるのかしら?

しかし年明けは凪からいきなり時化(しけ)となります。

カズと身重の咲子の妹と姪っ子が正月早々家に飛び込んできました。
カズはともかく、まさか住所を教えていない妹まで‥

夫の浮気を掴み取った妹は、住所をリサーチしてまで
咲子を頼り、娘連れで羽と同居する家へ駆け込んで来たのです。

「お兄さん」と咲子の妹から呼ばれ辟易する羽です‥

状況を聞く咲子に対して、妹は憤懣やる方なしという様子で
アロマンティック、アセクシャルの特性を引き合いに出し
姉妹という気安さから、咲子に感情をぶつけたのです。

流石にカズが妹をたしなめます。



咲子もまた一旦自分の感情をとどめます。

羽はじっと見守ります。

羽も咲子も同居する時、こんな場面を想像していたでしょうか?


ふたりは夫婦ではないのです。
家族になろうとしている人間同士なんです。
互いを尊重し、距離を保ちながら、特性を認め合い
将来に向けて、今よりも心豊かに過ごせたら‥
という想いで一緒に居る決断をしただけなのです。

しかし他人と暮らすということは
関係はどうであれ、今回のようにお互いが繋がっている人々と
多かれ少なかれ繋がる事があるということなんですよね‥

そして‥‥すったもんだのあげく
妹の出産という、生身の男と女が作り上げた核のような現場に
ふたりは行きがかり上立ち会う事になります。

なんだか、羽が想う同居生活の指針から
流れが少しずれているような気がしますが‥

大丈夫なのかな?

いずれにしても、咲子も羽も自分達で作り上げている
環境の中で、経験した事のない状況に出くわしながらも
だんだんと柔軟になっていく様子は窺えます。

自分の性的指向を受け入れる事ができるようになっている
ふたりではありますが、まだまだ未知な部分もありそうです。

自分を大事にいい方向へ進めたらいいなぁ‥









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