2023年03月

2023年03月31日

在宅介護の介護者は、太る‥私の場合‥


私は小柄で、それこそ今まで妊娠した時以外
50キロという大台に達したことはありませんでした。

一時期、30キロ後半ということもありましたが
ベスト体重が42~45キロという日常を送っていました。

ところが、母と同居してからというもの
体重のリズムはぶっこわれてしまいました‥‥

年齢的な事は、もちろんあると思いますが
致命的な原因は食事と運動量だと思います。
代謝も悪くなっているでしょうしねぇ‥

母との同居は11年に及びました。



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夫亡き後、同居していた義父母の介護をめぐり
夫の姉、弟との間に齟齬や確執が生じた上
御多分に漏れず、相続に関してもひと悶着ありました。

相続に関し、ここへ書くのが憚られるような
強硬手段をとった義姉、義弟に対し
心の浪費をしたくなかった私と息子は
速やかに夫の実家から離れました。

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時を同じくして、母の滑舌がおかしい事に気が付いた私は
母を連れて脳外科へ通院するようになりました。

処方して頂いた薬を服用し、様子を見ていると
滑舌は元に戻り、母にその他の変化はありませんでした。

しかし、ほっとしたのも束の間、しばらく経つと
今度は呼吸が苦しくて、少し歩いては休むという状態となり
かかりつけ医の紹介状を持って大学病院で診てもらうと
検査の結果、程なくペースメーカー装着の体となりました。


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その間、夫の両親はと言いますと
義姉、義弟は私が出た後、即座に二人を老人施設に入居させました。
しかし、その翌年に義父が亡くなり
翌々年には義母が相次いで亡くなりました。

私は震える程驚き、後悔もしました。

実は私が義姉、義弟に追い出されるように家を出た直後
あの東日本大震災があったのです。

心配でたまらず、夫の実家を訪れた私は
当てもなく、縁側に座りこんだ義父と
居間の炬燵で何をするでもなく
所在なく座っている義母を目にしました。

義父は私の顔を見るなり
「ああ!Tさん!助けてくれ!E子の作る食事がさぁ‥」
と、しっかりした食事を摂っていない事を訴えるのでした。

義母は「しょうがないよ‥騙されたんだよ‥しょうがない‥」と
憔悴した様子で私の顔を見て言うのです。

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あの日‥‥「実の娘と息子がやってることじゃないの!
二人とも、自分の娘と息子の言いなりになったじゃないか!」と
何回も呟き、後ろ髪をひかれる想いで帰りの電車に乗った私でした。

夫亡き後も、私と義父母の同居生活は、うまくまわっていました。

レビー小体型認知症の幻視に悩まされていた義母を
病床に臥す前の夫と私とで、心療内科へ連れていき
医師から処方された薬を服用して間もなく
義母の幻視の症状は劇的に無くなりました。

介護認定1の義父は、元々アクティブな人なので
買い物に出たり、庭の手入れをしたり
じっとはせずに元気に生活していました。

3人で話し合って、私は軽い朝食と夕飯を作り
お昼は義父母が好きなものを食べに出たり
お気に入りの調理パン買ってきたりして過ごす事を決めました。

ですから私は日中はフリーでしたので、気ままに過ごしていたのです。


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まあ‥‥色々な事がありましたが、実家に戻った私は
ペースメーカー装着により、落ち着きを取り戻した母と連れ立ち
父の墓参りがてらの小旅行をしたり、お互い自分の生活を
それぞれ楽しむ余裕もできるようになり、順調に過ごしていました。

特急列車に乗車する駅までは私が送っていきましたが
母は入院する前の年まで姉妹達に会うため
毎年一人で列車に乗り、信州の実家へも行っていました。

ところが、90歳という年齢を前にして頑張っていた母の体は
万策尽きたのでしょう‥持病の悪化から伴う不具合により
入退院を繰り返すようになり
とうとう介護認定を受ける事となりました。

母と話し合い、在宅で介護の日々を過ごす事にしました。

母の介護生活が始まると、私は遠出はできなくなりました。
制限のある母の食事は神経を使いましたが
亡くなる一年位前に、制限食のお弁当を見つけ
冷凍で2週間分づづ送ってもらうようになると、大分楽になりました。

長時間、母を一人にできないので
近所への買い物もそそくさと済ませ帰るようになりました。

月曜日は在宅クリニック、火曜日は在宅リハビリ、水曜は在宅歯科
木曜日は在宅看護、月2、3回はタクシーで大学病院や眼科へ行き
その他ケアマネの訪問、介護用具の点検、取り換え、入浴など
頻繁に人の出入りはあるし、移動はあるし
ドタバタと賑やかに、忙しく、そして意外にも楽しく過ごしていて
自分が刻々と太っているような感覚は皆無でした。

今になって、よーく考えてみると
約4年間、意識して運動はしていないし
長距離を歩く事もありませんでした。

忙しく体を動かしているような感覚は
実は、気持ちの上だけのものだったのです。


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健康診断で、医師に総コレステロール値が高いので
薬を処方しますと言われ、「え!?ちょっと、待ってください
なんとかします!もし次回の検査で数値に変化が無かったら
処方お願いします」と思わず私は言いました。

驚きました。他の数値は悪くはないのに
総コレステロール値が…だって‥‥

子供が幼なかった頃と同じ感覚で
食の細くなった母が残した食事をペロリと平らげ
その上、母にカロリーを摂らせるようにと医師に言われ
母へ用意するおやつにもしっかりと便乗していた私でした。

今思えば、語弊があるかもしれないのですが
母の在宅介護生活は、お祭りのようでした。
その中で夢中で過ごした結果が現在の私です。

気が付くと、体重が‥ウ‥‥ん‥
お腹は引っ込まないし‥ジーパンのウエストが‥き、きつい‥
という状態です、介護の副作用のような状態に驚いている私です。

そんなはずないんだけどな‥‥毎日あんなにワサワサだったのに‥
軽い介護ロスとでもいうような状態にもなっている私でもあります‥

というわけで、現在は毎日歩き、自分なりの運動をしています‥
と言いたいのですが、毎日というわけにはいかず‥‥
さぼる日は結構あります。

まあ、何とかします‥何とかしなくちゃ!うん‥








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wxy812 at 21:53|PermalinkComments(0)生活 | 思うこと

2023年03月22日

母の一周忌法要

忙しくても、暇でも、幸せでも、不幸せでも
泣いても、笑っても、充実していても、空っぽでも
金持ちでも、貧乏でも、友達いっぱいでも、孤独でも
生きていれば公平に時間の流れに乗って過ごすことになります。

亡くなった人はその瞬間、時間の流れから降ります。

でも、亡くなった人の親族は
亡くなった人が嘗て過ごした時間を想い
これから生きたかもしれない時間の想像をし
一周忌、三回忌、七回忌と
過ぎ行く時間の流れに想いを馳せたりします。

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昨年亡くなった母が、足早に一巡りした四季の移ろいの中の
そこここに未だに存在しています。

窓を開ければ‥
窓辺の日差しの中へ足を投げ出し日向ぼっこをしている母
お隣の木蓮が満開となれば‥
お隣の奥様と話しをしながら木蓮を見上げる母
公園のベンチを見れば
散歩の途中でベンチに座って休んでいる母‥

4月14日の命日を前にして
3月15日、母の一周忌法要を無事執り行いました。

一か月前には菩提寺へ一周忌法要のお願いをし
地元のお花屋さんにも、お花の手配を済ませ
お供えも最寄りのデパートへ出向き用意しました。

当日は朝7時少し前に家を出て菩提寺のある駅に降り立ったのが10時15分
やっぱり3時間以上かかりました。

おかげ様で当日はお天気に恵まれ、列車の遅れもなく
スムーズに菩提寺に到着することが出来ました。

亡父の里である駅前の様子は刻々と変化を遂げてはいますが
土地の持つ空気の匂いは相変わらずで
菩提寺を目指し、懐深く歩いていけば古い家並みはそのままです。

DSCF2106


予定時間より少し早めにご住職に促され本堂へ入りました。

ご住職は遠方からの私達への労いを述べた後
亡くなる前の年に母から届いたという
思うように菩提寺を参れなくなった想いを綴った手紙を読み
母へ対する想いなどを、お話しいただきました。

その後、読経となりました。
読経の中、私は母の介護に対する後悔が薄れていくのを感じました。

くよくよ考えていたわけではないのですが
無事法要が始まり、読経を聞いていましたら
ほっとして、肩の力が抜けて心が解けていきました。

DSCF3294

桜の開花のニュースが流れる頃となりました。

亡くなる一週間前にお花見をして、桜と共にに散っていった母‥

近くの公園の桜が満開になれば
そこに又母の姿を見るのだと思います。

それは、毎年続く事になるんだろうなぁ‥







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wxy812 at 12:32|PermalinkComments(0)生活 | 思うこと

2023年03月21日

6秒間の軌跡 最終回‥

6秒間の軌跡、最終回観ました。

人間生きていれば、憂鬱の一つや二つ
三つや四つあるもんですよね‥

星太郎にしたってそれは同じこと‥

そして‥誰だって憂鬱の元を断ち切って
すっきりしたいのは当然の事だと思います。

しかし、長年風雨に晒されている憂鬱の場合
当たり前のように日常の中に平然と居座ります。

断ち切るだけでは、根が張りすぎていて
一掃するのには相当の労力が必要となるでしょうね‥

それこそ、真上から強い力で
支根ごと思いっきり引っこ抜くという荒治療が
必要だったのかも‥




父、航の星太郎に対する後悔の想いは
自身の死出の旅を阻むくらい強かったのでしょう‥

母親にもっと早く会わせれば良かったと思うし‥

そして何よりも、世間に目を向ければ選択肢が数多ある中
狭い世界に星太郎を押し込め
花火師以外選べないようにしてしまったのは自分ではないのか?
という想いは「すまん」という言葉を
遠ざかる意識を中にして、航に言わしめたのです。

航は星太郎に対し強い悔恨の情を抱いていたのでしょうね‥

航は9歳の星太郎の身の上に起きた出来事が
星太郎の生き方に作用しているのを感じていたはずです。
ずっととどまっている星太郎をなんとか前に進ませ
解放させてやりたかったのでしょう‥

航の強い念の力で煙火店へやってきた霊感の強い水森ひかりと
出会い直しをした母や、幽霊の父とのやりとりは
星太郎の心に風穴を開けたようです。

漸く、未来へ向かって吹く風を感じる星太郎が見えました。

そして‥星太郎は自分が上げたいから上げるという
花火を打ち上げます。
星太郎にとっては渾身の花火の打ち上げだったようです。

花火には鎮魂という役割があります。
父、航の魂にとっては充分に浸透し、星太郎のこれからを
見届けたのだと思います。

花火が打ち上がるまでは色々な事情がありますが
人は自分に対して、また、愛する人に対して
花火を上げたいのだと思います。

父、航はひかりちゃんに「ありがとうなぁ‥」と言って旅立ちます。


幽霊の航と星太郎の妄想の航は、顕著な違いを示す
橋爪さんの芝居によって、わかるようになりました。

そして何より星太郎が過ごす日常の中に
いつまでも本田翼さんのひかりちゃんが居ますように祈ります。
随分と年下だけど星太郎を包み込んでしまう上に
星太郎が本音で付き合えた初めての女性ですもの‥

今回、星太郎の高橋一生さんの表情から
なぜか?「ミートボールマシン」のヨウジや
「怪奇大家族」の忌野清四を彷彿とさせるショットがあり
一瞬ですが、懐かしさを感じる部分がありました。

よかったなぁ‥このドラマ。
派手さはないけれど、じゅわーっと染み込んできました。
人間の心の動向を客観的に見つめる事ができました。

続編を観たいドラマですよね‥








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2023年03月12日

6秒間の軌跡 第9話‥

6秒間の軌跡、第9話を観ました。

星太郎は母理代子への復讐として
理代子の再婚相手である陶芸家に対し
父と理代子の関係をぶちまけるべく
母が切り盛りする喫茶店へ
乗り込もうとは思っているのですが‥

今一つ勢いがない星太郎‥
復讐という言葉で表現はしているものの
実際には9歳の頃からの積年の想いを
母にぶちまけたい衝動にかられている
自身の感情の矛先を
復讐と表現しているに過ぎないのですよね、きっと‥


ですから、気持ちと体に折り合いがつかず
ひかりちゃんから背中を押され
漸く母に会いに行けた星太郎でした。
本当に良かったですよね‥

星太郎はいきなり母に「星太郎!」と呼ばれ
ギュッーっとされて、嬉しくないわけないですよねぇ‥

それにしても父、航はちゃっかり星太郎の写真を
理代子の元へいっぱい送信してたじゃないですか!

そりゃ、30年余り経って、いきなり来た星太郎を
一目見ただけですぐわかるわけだぁ‥

それに母、理代子は感性で感覚的に動く人のようで
ある意味正直な人なのかもしれません。

想いをぶつけようとする星太郎に理代子は言いました。
「星太郎とは今から始まる事を話し合いたい。
せっかく出会い直したんだもの」って‥
航と再会した時と同じ言葉を星太郎にも言ったんだなぁ‥

そうよねえ‥過ぎ去った年月をいくら語り合っても
お互い交わりのない線上を生きてきたんだもの
話を聞いて、憐れんだり、謝ったりしても埒が明かないですよね‥

スルッと星太郎は取り込まれ、好物のオムレツを拒否したのに
ケチャップをくっつけてのご帰還となりました‥

やっぱり母の力は偉大なり‥

それからというもの、母の誘いに応じて出掛ける星太郎の様子が…
骨抜き人間のようになっているではありませんか!


9歳の星太郎に起きた事情についても
いずれ必ず、フランクに母に話す機会があると思いますよ‥

ひかりちゃんとの出会いも、母との出会い直しも
これからの星太郎にとって
とてもいい方向性を示しているのではないでしょうか‥

星太郎が心配で堪らなかった父、航の強い念が
ひかりちゃんを呼び寄せ、母、理代子にも会わせたのでしょうね‥

ひかりちゃんと星太郎はどうなるのかな‥?

このまま、ずっと二人が同居して煙火店を営む事に
全く違和感はないし、自然な流れのような気がするのですが‥
ひかりちゃんの尻に敷かれながら
星太郎に幸せになってもらいたいな‥

一生さんと原田美枝子さんの親子役
とっても良かったなぁ‥

来週はとうとう最終回‥あっという間でした。





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2023年03月09日

NODA・MAP新作「兎、波を走る」に高橋一生さん!



劇作家、演出家、俳優でもある野田秀樹さんが率いるNODA・MAPが
2年ぶりの書き下ろし新作を上演します。

新作のタイトルは「兎、波を走る」だそうです。
そういえば今年は兎年だったっけ‥
「うさぎなみをはしる」は諺だそうで‥初めて知りました。

『さざ波の立つ水面に月あかりが当たると
白く輝き、兎が走っているように見えることからきているそうです。

又、兎というのは水を怖がるそうで
水の中に深く入る事はなく
仏教で悟りの浅い段階にとどまっている者をいうそうです。』

物語設定は「"潰れれかかった遊園地″を舞台に
繰り広げられる″劇中劇(ショ―)"のようなもの」で
″アリス″が登場するようです。
果たして、あの不思議の国へ迷い込む″アリス″なのか?どうなのか‥

タイトルからしてなんだか、曰くありげです。
野田さんは「なんともいたたまれない不条理」を
感じ取っていただければと書かれています。
「兎波を走る」の響きから不条理を感じるストーリーとは?

キャストは高橋一生、松たか子、多部未華子、秋山菜津子
大倉孝二、山崎一、大鶴佐助という
スペシャル版ともいえる皆さんです。                                              

大方、一生さんとはドラマで共演なさっていて
気心が知れた方ばかりですね‥
秋山菜津子さんは白井晃さんの奥様なんですね‥ご縁が重なります。



東京公演2023年6月17日(土)~7月30日(日)東京芸術劇場プレイハウス
大阪公演2023年8月3(木)~8月13日(日)新歌舞伎座
博多公演2023年8月17日(木)~8月27日(日)博多座という日程です。

一昨年WOWOWの特集でNODA・MAPの公演4作品を観ました。

気が付くと人間の真理や、真相がしっかりと潜り込んでいて
最後にはまるで深い海の底に沈んだような心持ちにさえなるのですが
光はしっかりと差し込んでいました。
変わり玉(色が何色にも変わる飴)のように、一筋縄ではいかないのが
野田さんの演劇の世界のような気がします。

とにかく、観に行かなくちゃ!
一生さんの芝居を観に行かなくちゃ!!

昨年の一生さんの「舞台2020」はやっぱり7月で
渋谷駅から徒歩7分程のパルコ劇場ですが
閉口するような人口密度の高さ、蒸し暑さは
老体にとって、なかなか厳しい道のりでした。

今回の「兎、波を走る」は、母の介護で断念せざるを得なかった
2021年の「フェイクスピア」の時と同じ
東京芸術劇場プレイハウスということで
駅から直接行けると聞きました。少し楽が出来そうです。

夏場で長丁場の舞台なので、皆さん体調には神経使うだろうなぁ‥

楽しみ!!!



東京公演のチケット一般販売は5月28日10時から
大阪公演、福岡公演の一般チケット販売は
7月8日10時からとのことです。





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wxy812 at 17:06|PermalinkComments(0)舞台 | 高橋一生