映画

2023年06月23日

「まほろ駅前多田便利軒」及び「‥狂騒曲」を久しぶりに観ました



10年程前、テレビ東京で深夜に放送されていました
「まほろ駅前番外地」は息子に教えられて
録画して観ていました。
終了後、再放送されましたが、再びお願いしたいです
ダビングした記憶はあるのですが
荷物の移動や介護など、バタバタした生活が続き
探しているのですが未だ見つかりません誰かに貸したのかな‥?

まほろの街を抜群のバディ感満載で闊歩しながら醸す
多田と行天の、あの独特な世界観にまったりと浸りたいです。

でも今回、WOWOWで大森立嗣監督作品を特集していまして
久しぶりに「まほろ駅前多田軒便利屋」及び
「まほろ駅前狂騒曲」の2作品を、無事観る事ができました。


【まほろは、東京都から神奈川県に突き出るようにある街だ‥
都会ではないけれど、田舎とも言えない‥
海からは遠いいが、山間部ではない。

なぜか、天気予報が大抵外れる。

この街には人も物も流行りも最後に流れ着く。
まほろで生まれた人はまほろから出ていかない。
稀にまほろを出た人も何れ舞い戻る。
揺りかごから墓場まで、ここで一生過ごす。

今俺は、まほろ駅前で便利屋をやっている。結構真面目に‥
まほろ駅前から走って一分、歩いて三分‥】
まほろのあらましを多田が語り
街のあちらこちらを捉えた映像が流れる「まほろ駅前便利屋多田軒」の
プロローグが大好きです。


まほろとは、言わずと知れた町田をイメージした街です。
でも、イメージと言うより町田そのものですよね‥

原作者である“三浦しをん”さんは
子供の頃、世田谷から町田へ引っ越しをしてきて以来
町田に住み続け、町田の古書店ではアルバイトもしたそうです。

2014年初頭、55年の歴史に突然幕を下ろしてしまった
町田の「プリンス」という老舗喫茶店に
“三浦しをん”さんのサインや、テレビ番組出演に関する
チラシが貼ってあったのを思い出します。

実は亡くなった夫も町田で育ち
現在は町田駅近くの寺の墓で眠っています。
息子も町田で育ち、現在も町田に住んでいます。

そんな事から特別に「まほろ駅前‥」を身近に感じ
共感を覚えるのかもしれません。

それにしましても、「‥便利屋多田軒」も「‥狂騒曲」も
娯楽映画として大変に面白く、観ていて飽きる事はないです。

何よりも瑛太(永山瑛太)さんといい、松田龍平さんといい
ご自身の持ち味の極上の部分を
良い匙加減で多田と行天に落とし込んでいて、最高です!

それこそ、二人のやり取りの様子は
ずーっと見ていたいくらいな気持ちになり、嵌ります。

映画に漂うなんとも言えない地元感もたまらないです‥

あなたが―♪噛んだ~♪小指が痛い~♪‥‥

この歌が流れると多田の心はシクシクするんだろうな‥
そして、行天は多田を想うのだろう‥

小指の思い出は‥切っても切れない縁(えにし)との出会い‥
なんちゃって‥

なぜ小指なのか‥観ていただければわかると思います。



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2023年05月31日

岸辺露伴ルーブルへ行く!お代わりして来ました

昨日、「岸辺露伴ルーブルへ行く」をお代わりして来ました。

意外にも、約束事などの外出時には天候に恵まれる事の多い私は
映画開始時間に合わせて家を出る頃には
雨はすっかり止み、映画を観終わり外へ出ると
目がチカチカする程の晴天となっていました。

映画館に到着するなり、グッズ目掛けて突進しましたが‥‥
やはり噂通り、主だったグッズは皆無でした。
しかも中三日しか経っていないのに
品物が完売状態で、売り場は半分に縮小されていました。

そして、思いの外観客が多く、老若男女入り混じる館内でした。




2回目ですが、初めて観た時と変わらぬ感慨を覚えました。

露伴にとっては忘れ難く
ずっと心に留まっていた過去の出来事への想いが
ルーブル美術館での取材の最中に
思いもよらぬ出来事に遭遇したことで
ある確信を得て帰国する事になります。

そして‥‥

やっと見つけた、ある場所に於いて全てを知る事となる件は
まさに露伴にとっても、観客にとってもクライマックスでした。
再び息を吞み、目を見張り、見入ってしまいました。

監督が「おんな城主直虎」と同じ渡辺一貴さんという事もあり
高橋一生さんの鬼気迫る芝居を観るにつけ
場面の至る所に、政次と相通ずる瞬間を感じてしまい
思わず目の奥が熱くなり、ジワーっとしてしまいました。

本当に面白く上質な映画を観たなと、再び観て確信しました。

もっと色々と書きたい衝動に駆られるのですが
まだ上映が始まったばかりですのでこの辺にしておきます。




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2023年05月26日

岸辺露伴ルーブルへ行く!観てきました!



いつものように最寄りの駅から電車で10分ちょっと
歩いて数分の映画館で
「岸辺露伴ルーブルへ行く」を観てまいりました。

本日初日、12時45分からの2回目の上映を観ました。

DSCF2147

このところ月一回程度、映画館へ足を運んでいますが
平日にしては観客が多く3分の2位の席が埋まっていて驚きました。

しかも岸辺露伴のグッズコーナーを見ると人が群がっていて
おばちゃんとしては搔き分けてじっくり選びたい想いは山々ですが
フッと終活中である事を思い出し
これ以上物は増やしてはいけない‥と思い諦めました。

見たところ若い男女はもちろんのこと
中年や初老とお見受けする方々も意外に多くいらっしゃっていて
年齢層、性別に広がりがあるようです。

多面的な観点からの入口を持つ
この映画の特性を改めて感じとる事ができました。

ズバリ!映画は最高でした!
私が高橋一生さん推しだから言っているというわけではなく
この映画を作る人々の熱量の高さと想いの深さが
観ているこちらに球となって
直球で飛んでくるような手応えがありました。

エンドロールが流れ、館内が明るくなるまで
座席に腰をしっかりと落ち着け
余韻に浸る事の出来る、実に上質な映画でした。

他の観客の方々も同じ想いだったのか
せかせかと立ち上がり帰りを急ぐ方はいませんでした。


もう一度観てみたいと思います。
グッズ‥その時まで‥まだあるかな‥売り切れちゃうよね‥
やっぱり‥キューピーのが欲しいなぁ~






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2023年04月15日

ハラがコレなんで、を、あの日観ていました‥

昨年の4月14日の午後母は死にました。

あの日、私は母の死が間近にあるとは思っていませんでした。

もちろん、1年?2年先?までとは思ってはいず
覚悟は充分していました。

4月14日のあの日
前日13日に録画した仲里依紗さん主演の映画「ハラがコレなんで」を
母が旅立とうとしている隣の部屋で私は見ていました。

妊娠9か月の身で恋人と別れ
その上所持金が乏しくなった仲里依紗さん演じる光子は
過疎化してしまった、幼少期を過ごした街に戻ります。

「粋」という生活観念と、人情の厚さを信条として
人々と関わりあっていく光子ですが
昭和2,30年代のおおらかな時代の出来事ならば
自然な流れとして捉える事が出来たと思うのですが‥

徐々に私の中で違和感が生じ、気持ち悪さを覚えながら見ました。

人との関わりを、クッション無しで直に相手を受け入れるため
傷つく事も多かったと思われる昭和の頃は
大胆且つ許容の範囲も広かったように思います。

粋を極めるには光子の刹那的な生き方は必須なのでしょうが
時代的背景を含めた人々の佇まいと
光子が発信する波動とが、融合できていない気がしました。

その上、光子の非日常的とも思える
独りよがりの部分が突出し過ぎて
どうしても人情コメディとして捉えることが出来ませんでした。


しかし、この物語の最後が‥
どうなったのか私は未だに観ていません‥


あの日、映画を観ている途中で‥なぜか‥
「はっ!?」っと我に返ったような感覚になり
慌てて5,6歩で行ける隣の部屋へ行きました。


数時間前の母の様子から鑑みて
亡くなる寸前の人間の意識があんなにはっきりして
穏やかなものだとは想っておらず、油断していたと思います。

今思えば、母は下血が続いて尋常ではなかったはず‥
この期に及んで、まだ何とかなると思っていた節がありました。

午前中には看護師さんと視線を交わしながら
清拭をしていただき、私の問いかけにも
しっかりと視線を合わせて頷いて返事をした母でした。

看護師さんが帰った後、大好きなアイスクリームを
ふた口、唇を湿らすように口にすると
「いい‥」と言い「もういいの‥?」と聞くと
「うん‥」と返事をした母でした。

「じゃぁ、ゆっくり休もうか‥」と私が掛布団を整えると
母はコックリと頷き目を細め、眠る体制に入りました。

私はホッとして、穏やかで平安な心持になっていました。
ちょうど昼食時で、大好物のビビンバを作り
それはそれは美味しく頂きながら
「ハラがコレなんで」を観ていたのです。

そんな気分に浸れる穏やかで静かな午後だったんです
あの日は‥‥






そんな事を一周忌に思いました‥





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2023年04月08日

映画「ロストケア」を観てきました


先日、TBSラジオを聞きながらガサガサと家事をしていましたら
その日のゲストが「ロストケア」という映画の監督さんでした。
お話を聞いて興味がわいたので、観てきました。

思った以上に観客が入った館内で「ロストケア」は始まりました。

4年間の在宅介護を経て昨年の4月に母を見送った私には
介護の場面はまだまだ生々しくて
思わず涙を流さないではいられない場面がありました。



テーマが重すぎて、映画を観終わった後
正直スッキリしないモヤーっとした心持ちになってしまいました。

在宅介護という制度は自宅に介護者が居住し
収入源がしっかり整っていればスムーズな制度なのだと思います。
又、全くの一人暮らしの人でも、ケアマネが状況を把握し
介護サービスを上手に組み立てればなんとかなる場合もあるようです。

認知症の人であれば、グループホームという手もあります‥
でも重度の認知症ですと‥どうなるのか‥‥

松山ケンイチさんが演じた、斯波宗典という人物は
介護士として働く中で事件を起こしていくのですが
介護士となる以前は別の職業に就く傍ら
父親の介護をしている時期がありました。
しかし父親の認知症が進むと日中一人にはしておけず
離職せざるを得なくなりました。

離職してからは、父親の年金と貯蓄を崩しながらの生活となります。
持ちこたえるだけの年金と貯蓄があればよかったのですが‥

とうとう三度のごはんにも事欠くようになってしまうのです。

役所で生活保護申請をしても、けんもほろろ
という扱いになり、「あなたが働けるでしょ」という
体温の無い答えしか返って来ないわけです。

認知症の父を看るために働けなくなったから申請したのに
想像力零の理不尽な言葉を言えてしまうのが悲しいです‥



こんな時、地域包括支援センターへ連絡したら
もしかしたら、少しでも改善の兆しは見えたかもしれません。

又は、町内の民生委員に相談するとか‥

私は、どうしても、周りに働きかける方向に
なぜ至らなかったのかということに想いが至ってしまいました。

でも、映画の中では描かれてはいなかったのですが
挙句の果ての生活保護申請だったのかもしれないですね‥

だとしたら救いようがないとしか言えないです。

特別養護老人ホームだって、場所によっては
申し込んでから2年も3年も待たないと入所できません。
しかも最近ハードルが上がり、介護認定3以上でないと申しこめません。

私事になるのですが
亡夫の実家を出てから3年程経ったある日‥
実家に戻り母と暮らす私の元へ
「特養に入所できますがどうしますか?」
という趣旨の電話がありました。

初め何のことかピンとこなかったのですが
夫が亡くなった後、義母の介護認定を受けた際
ケアマネからの指南により、介護者である私の名前で
数か所の特別養護老人ホームへ申し込んでいた事を思い出しました。

しかしこの時、すでに義母はこの世にはいませんでした。


どちらにしても介護にまつわる事件はあとを絶ちません。

多数の高齢者を手にかけた斯波宗典が言い放った
「この社会には穴が空いている」という言葉にはズンときました。

人々は、潜在的に穴の存在は知っているはずです。

長澤まさみさんが演じた大友秀美という検事が
「人には見えるものと見えないものがあるのではなくて
見たいものと、見たくないものがあるのかもしれない」と
言った印象的な台詞があったのですが
安全地帯で日常を過ごす世間の人々は見ないようにしているだけで
充分わかっているはずなのです。



世間の人々が介護による悲劇を、知らないはずはないのです。
制度に落ち度があるならば救援措置を
具体的に早急に整えるべきだと思うのですが‥

自身を育んでくれた親が年老いて弱ったら
出来る限り、和やかに介護をしてやりたいと思うのですが
何時終わるのかわからない介護は
希望を伴う小さな子供を育てる大変さとは異質なものです。

排泄物の臭いや体臭はついて回りますし
違和感のある行動もとりますし
介護者の都合の良いようには決してなりません。

ましてや、介護をしながら働きに出たり、子育てをしたり‥
「ふぅ~っ‥‥‥」と思わず出てしまう溜息が
とぐろのように自分の体に巻き付き離れなくなります。

だから‥斯波宗典に救われましたと言った人の気持ちはわかります。

あってはならない出来事だというのは十二分に承知です。

でも‥救われたと思う人がいるのもわかるのです‥

私自身、こうやってブログを書いていますが
ごくごく近い将来の問題なので、年を重ねるのが怖くなります。

自己責任と言い放たれる世の中においては、準備万端を心掛け
安全地帯を目指し、果たしてクールに生き抜く事ができるのでしょうか?

自分が、何時どんな事態なっているのか?
その時になってみなければわからないのです‥
怖いなぁ‥危ういなぁ‥

私なんて崖っぷちですよ‥‥




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wxy812 at 22:41|PermalinkComments(0)