昇龍編

2020年03月26日

「竜の道」読了

白川道(しらかわとおる)著「竜の道」
飛翔編、昇龍編を読了しました。

白川氏は2015年4月大動脈瘤破裂で死去されました。

1945年中華人民共和国の北京で生まれ
引き上げ後は神奈川県平塚で育ち、一橋大学を卒業
就職したものの退社をし、起業するがうまくいかず
結婚後、義父の会社に努め子供をもうけますが離婚します。
その後バブル期に株の世界に飛び込み紆余曲折の後
マネーロンダリング、インサイダー取引の違法行為で逮捕され
初犯ながら実刑をくらい刑務所に入所します。

49歳の時実体験をもとに描いた
「流星たちの宴」で作家デビューを果たし
山本周五郎賞候補となった「天国への階段」が
テレビドラマとなりハードボイルド作家として名を馳せます。

「竜の道 飛翔編」は2009年の作品です。
その後随分と間が空きましたが
2015年に「竜の道 昇龍編」を執筆中急逝します。69歳でした。
ですから昇龍編は未完です。
3部作という構想で練り上げていた
「竜の道」は結末をみることができない状態となりました。


白川氏の担当編集者さんが明かす「竜の道」の顛末です。
          

現在新潮出版部長でありTOKIO MX「5時に夢中」「とくダネ」等の
コメンテーターである中瀬ゆかり氏が
急逝されるまで19年間事実婚のパートナーでした。
以前お連れ合いが亡くなったという趣旨の事を
番組でおっしゃっていたのですが白川道氏の事だったんですね。
https://www.bookbang.jp/review/article/30537

今回白川道氏原作の作品が「竜の道 二つの顔の復讐者」として
主人公の竜一に玉木宏さん
双子の弟竜二に高橋一生さんを配し
カンテレ・フジテレビ系で
4月14日(火)夜9時から初回20分延長でスタートします。




飛翔編、昇龍編と分厚く読み応えがあります。
しかし、話がテンポ良く進み
ぐいぐいと引っ張られるように
気がつけばあっと言う間に読了を迎えました。

竜一、竜二という双子、「双頭の竜」が繰り広げる
復讐の深淵に沈むと言っても過言でないほどの物語です。

『激しい竜一と芯の優しい竜二は
幼い頃引き取られた家の夫婦から家畜のような生活を強いられ
周りの住人達からも冷たく扱われながら成長しました。

唯一兄弟に親身になって優しくしてくれた夫婦とその娘の一家は
ある事情が原因で心中をはかり夫婦は死亡し
なんとか助かった娘は失明という痛手を負ってしまいます。

心体から滲む血を二人で舐めあいながら凌ぎ耐えてきた
優秀な頭脳を持つ「双頭の竜」は
鬼畜のような養父母、恩人を死に至らしめた憎い相手
自分達を蔑視した冷たい社会、そして地獄へ放り投げた生みの親へ
積年の復讐の炎を燃やしながら
ある計画の実行を企てそして次々と決行していくのです。』

しかし残念ながら未完なので
今回ドラマ化にあたりオリジナル・ストーリーが用意されています。

TVドラマでは養父母の設定が変更になっているようです。
見てのお楽しみですね。

どう考えてもハッピーエンドになるわけもなく
竜一は復讐と言う目的を達成する為に何人もの人間を殺めており
竜二も竜一に引っ張られるようにして幇助をしているのです。

妹のような恩人の娘と竜二は両想いなのですが
果たして二人は一緒になることが可能なのでしょうか?
そして類を見ないような激しい復讐が終わった時
どんな生活があるというのでしょう?

「双頭の竜」にはどんな着地点が待っているのか‥
今となっては
白川道氏の二人へのけりの付け方はいったいどんなだったのか?
返す返すも読んでみたかったです。





竜の道(上) (幻冬舎文庫) [ 白川道 ]
竜の道(上) (幻冬舎文庫) [ 白川道 ]

竜の道(下) (幻冬舎文庫) [ 白川道 ]
竜の道(下) (幻冬舎文庫) [ 白川道 ]

竜の道 昇龍編 (幻冬舎文庫) [ 白川道 ]
竜の道 昇龍編 (幻冬舎文庫) [ 白川道 ]










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